ギルダンの徒然日記+

主に趣味関連…だけではなく色々と研究のことも含め書いてるブログ。

FGO:英霊剣豪七番勝負の感想

とりあえずメモしたかったので箇条書きに。
超ネタバレなので注意。
























◯全体

・伝奇もの、時代物として良質な読み物でした。
・妖術師によって蘇らされた過去の英雄たち、それを宮本武蔵風魔小太郎と妖刀村正(の鍛冶)(と軍師)が倒していく話、忍者たちによる忍法合戦...etcなど。
・そして、最後は宮本武蔵佐々木小次郎という、これぞ武蔵主役物のテンプレ、ってのをうまく組み合わせて物語を作ったんだろうな〜とは。
・で、その上で、やりたかったこととして敢えて後述する要素をぶちこんだ結果、その点について賛否両論になったんだろうなぁという。
・ただ、これも後述しますがその要素もFateで時代物をやる、となるということで、何を言われてもやりたかったんだろうな〜ってのが見える作りで良かったです。この点は大分アガルタとは違いました。
・点数をつけるなら80〜85点かなとは。アガルタは当然として新宿よりも個人的には好きでした。まぁ時代物自体が好きともいう。


◯サーヴァントについて
・メインどころは武蔵、風魔ですが、いずれも非常に良かったです。
・武蔵はぶっちゃけ時代物として剣豪たちと勝負をしていくという流れ自体が良し。
・世界の放浪者が己の「空」を定めるために闘う、というのも良し。
・そして相手は武蔵の時代の剣豪たちだけではなく、過去の鬼とも呼ばれた英傑たち、と伝奇要素も良し。
・と個人的には非常に良かったです。Fateでなくてもありそう。
・風魔の方も風魔の方で、今回だけで甲賀と風魔と加藤段蔵とかいう東国における重要忍びたちの話を一気にしていく忍法合戦、妖術合戦、呪詛の類など目白押し。
・すげえかんたんに言うとこの二人だけで伝奇と時代ものと忍者もののフルコース食べて!て言ってるやつ。
・敵側も「一切鏖殺」の妖術に歪まされてはいるものの、ソレが故に生前の呪いがうまく書かれていたとは。
・あと、敢えて異世界のように作り上げている部分も個人的には面白かったです。まるで夢物語のような。
・そして最後の長刀の剣士との対決。本当にこれをやりたかったのだろうなぁと唸るぐらいの出来で良かったです。
・アガルタとどうしても比較してしまいますが、正直出て来るキャラは倍ぐらいあるのにうまく全員出番を作って書ききっていたかなとは。


Fateとして
・主に説明がメインでしたが、今回は特にサーヴァントの存在についてが語られていました。
・サーヴァントはどのようなものか、サーヴァントの記憶について、サーヴァントが歪むということなど。あと鬼、呪についても少々。
・あと、生身の人間でも精進(と妖術)によってサーヴァント並になれるのを改めて示したというか。
・今回は改めて説明し直した部分が多かったかなって感じ。
・ただ、その説明が最後の詰め込み以外はうまくまとまってたかな〜って感じ。



魔界転生要素について
・この点が特に今回取りざたされて変に話題になってしまったわけですが、実際のところどうなんだろうと要素をまとめると以下になります。
・まず、言い逃れが出来ないレベルで敢えて突っ込んだのは宝蔵院さんとおぬい(守るべき少女)の存在、あと妖術師天草四郎時貞でしょう。
・そして、この要素三つを変えれば正直な話魔界転生要素は大分なくなっていたと思います。
・何故かというと、
(1)妖術師が過去の英雄を蘇らせて主人公と戦わせる、という構成は魔界転生だけでなく数多く存在すること(魔界転生フォロワー以外にも『地上最強の男竜』とか)、
(2)柳生宗矩VS宮本武蔵佐々木小次郎vs宮本武蔵はむしろ別の時代物、武蔵物語では。
(3)そしてこの二人転生してない。生身の人間=剣豪モノやこれ。
(4)ぶっちゃけ道満さんが使う朝鮮妖術主導なら幾らでも別の話に作れたと思う。
(5)他にメインとなるのは忍者モノ。特に望月三郎の子孫である望月千代女と酒呑童子伊吹山の繋がりは中々に面白い。
(6)世を恨む武将、或いは魔性に捻じ曲げられた鬼が敵になっていることでまた別のえげつなさが現れている(ノリは『吸血鬼ドラキュラ』に近い)。
(7)ぶっちゃけおぬいの役回りはこれ名前だけおぬいなだけで話的にはよくある子役で、魔界転生の劇中人物とは欠片もつながらない。
(8)Fate要素(主に英霊の魂を使った儀式を行うために敢えて敵側は蘇らせた剣豪たちを殺させる、それまでに味方を疲弊させるために色々する方向)も強く、そこにも面白みがある、などなどです。
・まぁかんたんに言えば、今回の話をほぼ変えることなく、魔界転生と言われないようにする、或いは影響を受けているぐらいに留めるのは可能だったと思います。
・それこそ「FGOの武蔵(と宗矩)の物語」と「FGO風魔小太郎の物語」、「鍛冶師であり守護者である村正の物語」、「FGOの鬼の物語」がある朝鮮妖術による黄泉返りものとして話として構築出来たかなとは。
・ぶっちゃけ山風作品の影響を受けている、程度までならそれこそ同時代で武蔵、小次郎、宗矩(は1月の時点で確定でした)や風魔たち忍者モノ、そして妖術(芦屋道満)の話をするなら、影響を受けない方がおかしい作品なのでしゃーないと思われていたでしょう。
・だもんでなんでこの要素ぶっこんだかといえば明らかに「賛否両論何を言われてもFateでこれ(おそらく魔界転生ベースで宮本武蔵vs佐々木小次郎の決着)をやりたかった」「ソレが故に、誰が見てもわかるようにしたかった」、ってなったように見えた塩梅です。
・だからこの点で賛否両論あるのはしゃーないとして、それだけじゃないよ〜ってのは言っておきたいなぁとは思います。てかうまく混ぜ込んだなぁって感じで自分は賛の方です。
・逆に言えば里見八犬伝に対する魔空八犬伝みたいなそんな感じ。
・まぁ前述の通りなので「魔界転生のクレジットお願いすれば…」って話も難しいかなとは。さっきの三つの要素…っていうか多分宝蔵院抜いておぬいの名前変えて妖術部分ちょっと変えたら魔界転生じゃないじゃんって幾らでも言えちゃうから…。むしろ武蔵ものや剣豪もの(例えば荒木又右衛門や塙団右衛門の講談)、忍法モノの創作とかのほうが本筋は近い。あとサムスピ
・とりあえずこの要素について言いたかったことはこれくらい。正味な話パクリだオマージュだは個人の主観で、それが本当に是か否かは当事者間でする話だし敢えてそれで殴り合い合戦するのはどうなんよ…って感じです。この点はどっちも見ててゲンナリな感じ。みんな平和が一番。ラブ&ピース。せめてお互い無関心でいようよって感じ。

・とりまこの辺だけ言いたかっただけともいう。


とりあえず以上で。書きたいこと書いたからすっきり。
・正味な話この辺ツイッターに書いてもなーだし書ききれないしでつらいんよー。書いてもね〜って話だし。
・とりま吐き出すだけ吐き出した+突っ込まれるところは正味な話平行線にならざるを得ない部分なので、自分は自分で好きなとこをうまく話しつつ、近い伝奇とか時代ものを読んだり紹介していきたいなとは。
・『魔界転生』読み直したけど「これ全然別物だしどっちも面白いやん…てか英霊剣豪の方完全に別物に出来たのに敢えてこう振ったの分かりやすいな〜」ってなったからね。そういう意味でもみんな『魔界転生』も読もう。
・追記:(http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1710/21/news032.html)こんな記事がねとらぼで書かれてました。実際自分の感想と大体同じ(ただ、パロディオマージュなんやらの話は人によるからなんともって感じ)。
・個人的にはさっき書いたように色々言われるのはしゃあないとして、話として面白かったし、色々言われる部分だけじゃない…ってかむしろそうじゃない要素が8割ぐらいだよってなる感じ。